第19回「カメラを選ぶ、被写体に向き合う」
雨が続いてあんまり写真も撮りに行く気にもなれない週末。なんだか毎回、どっかに行ったら何かをかけるのだけど、たまには役に立つことを書いてみようかと思っています。
さてさて、世の中には「弘法筆を選ばず」という言葉がありますが写真家というのは結構カメラを選びたがる節があります。もちろん、選ばない人もいるのだけど、かの有名な写真家、荒木経惟先生は「煮詰まったら、カメラを変えろ!」といった名言を残していますし、僕も結構「押せば写る」なんて言いたいのだけど機材選びは結構大事です。
例えばの話、今の僕は中判ミラーレス一眼とハーフサイズのフィルムカメラで作品を作っています。両者の撮れ方を比較すると全く性格が違うものです。まずファインダーを覗けば、ミラーレス一眼の方は横位置の見え方なのに対してハーフサイズのフィルムカメラは縦位置に見えます。画質も違いまして、ミラーレスの方は現代の高画素機なのに対してフィルムカメラの方は一般的な35mmフルサイズの半分とフィルム独特のノイズも乗り高解像度とは言い難いです。

横位置と縦位置の写真の違いを説明すると、横位置はまず視覚的に見えます。基本的に風景というのは横に広がっていくものですので、見た時に客観的になれます。対して縦位置のメリットは左右の風景が映らないので情報が整理しやすいという点がある。情報が整理しやすいということはメインの被写体に集中しやすいということになりますね。

僕はその両者を行ったり来たりしています。感覚的な話ですがどちらかが煮詰まってきたら持つカメラを変える、といったような気持ちです。使い分けの話になってくると、中判ミラーレスの方は大きなセンサーでボケやすいレンズを使って視覚的に日常の周辺を切り出すための機材であり。なぜ、ハーフ判フィルムかと聞かれたら物質として写真を残したかった、そして被写体に対して情報を整理して直接的に対峙したかったから、という心持ちで選んでいたりします。
と、まあ、好きなカメラで撮れば良いじゃん!な話でもあるのですが、作家としては「これをやるなら、このカメラ」と自然と目的で選ばれるものなのです…。皆さんの少しばかり機材選びや撮り方の参考になれば…と思います。それでは。