写真とフレームとエトセトラ 第15回

写真とフレームとエトセトラ 第15回

第15回「遠くのあたりまえ」

北海道は冬。凍てつく寒さの中、夏のようにカメラを持って自転車にも乗れず、つい引きこもりがちになってしまう。

それでもよいこらしょと。先月一月後半に実家のある東川町に帰った。半年前まで住んでいた実家は自宅のような快適さとはまた違う居心地の良さであり、僕の部屋は片付けられ、母の寝室になり。母は居心地が良いと言っていた。

微かな寂しさと懐かしさの匂い。かつてあった「日常の周辺」「あたりまえ」は遠ざかっていく。

そしてもう二月。堂々と新年の目標など書けないタイミングだが、今年は遠ざかる「あたりまえ」のために「写真バカ」でありたいと目標を立てた。

「写真バカ」とは何か。これは私の勝手な定義づけなので話半分に聞いて欲しいのだが、とても簡単な例だと誰もが知るかわからないがアニメ「ちびまる子ちゃん」に出てくるたまちゃんのお父さんになりたいのである。ことあるごとに考えに縛られず撮る。つまり「身体的にとりあえず撮る」を実践したいと。

昨年一年過ごしていても撮っておけばよかった「あたりまえ」の連続。写真はいつだって手遅れだとはおもっているのだけど、それにしてもそれらを少しでも減らしておくのが写真家らしい写真家ではあるまいかと。あたりまえの変化は常におこっている。

 

そうして増えるのは最も近しい家族の写真である。おそらくこれらの大半は展示発表はしないのだけど、数年後に「あたりまえ」を愛でるために、印刷して手帳に挟んでおこうと思う。

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