第12回「受け継ぐ、いろんなもの」
東京から帰ってきて、真っ先に思ったのはキャンプしたいなぁ。だった。
しかし、意外と北海道の六⽉はまだ寒い。半袖で最寄りの空港に降り⽴ったのはよいものの気温は15度ほど。さすがにまだ半袖はきつい気候である。
焚き⽕をすればまあ、いけなくもないか、とも思ったが。寝袋は我が家に代々伝わる三代前の祖⽗⺟の代から受け継がれた、いにしえの寝袋。寒めの夜には少しきつそうである。毎年買わないとなあと思いながら変わらずに使い続けている。
受け継ぐ、といえば僕が使っているフィルムカメラも祖⽗から受け継いだものである。Nikon FM2、シンプルに名機である。
今でこそ作品も含めデジタルが中⼼の私だが、やはりフィルムで撮っている時が⼀番楽しいので出番はそれなりにあるのである。
そして、他にも⼿紙を書くときに使う万年筆も⽗親から譲ってもらったもので⾦のペン先でなかなかこれも使いやすく、定期的に出番がある。
他にも⽗親からお下がりで服をもらったりなど。とにかく私は物を「受け継ぐ」ことが何かと多い。
そういったものは⼤切に私の次の世代にも受け継いでいきたいと思っている。
やはり受け継ぐのはモノだけではなく何らかの意志もあると思うからなのである。
しかし、半世紀ものの寝袋でこの寒さは厳しいかもしれない。⾵邪をひきそうである。
キャンプに⾏くのは、やめた。