写真とフレームとエトセトラ 第三回

写真とフレームとエトセトラ 第三回

第三回「過ぎゆく季節とモノクロの日々」 

最近は秋らしく、色づいてくる頃ですね。

と言いつつ、私がいる北海道は冬に突入したらしい寒さと、それなりの雪。
一瞬に感じた秋と夏の日々。もう少し、夏らしいことをしたらよかったと毎度思うのですが、考えてみると夏らしいことをしまくった夏などありはしません。 

そんな季節ですが、先日、このようなことがありました。
となり町のとある写真集団の集まりでモノクロフィルムを現像する機会があり、最近撮影したフィルムを3本。そしていつのだかわからない、出所も撮影者もわからなくなった部屋に転がり続けていたフィルムを1本現像しました。

最近撮影したフィルムについてはもちろん撮っていた記憶があり、見返してみると「ヨシヨシ、現像楽しいぞ」といった感想が出てくるのですが、問題はもう1本の謎のフィルムです。現像してみるとその中には、驚いたことに高校2年生ごろに撮ったと思われる写真が眠っていたのです。

石

もはや10年ほど前の写真となると撮った瞬間の記憶など曖昧です。それでも、今の自分より絶妙に下手だけれどいい写真が詰まった当時のネガを見ていると、当時の高校の周りを散歩がてら撮影した記憶が蘇ります。今となっては帰ってこない、きっと物足りないと感じていた日々が写っているのですが、それなりに楽しそうにやっていそうな写真もちらほら見られるのです。

プロセスや機材などに目が行きがちな最近の写真界隈でありますが、暗いパトローネの中に眠る光は、そういったものとはまた違う「写真の良さ」を教えてくれるのでした。

物足りない日常も、10年もするとかけがえのない日々に変わっているのかもしれません。

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